インプラント治療について

インプラントとは

インプラントは乳歯・永久歯に続く「第三の歯」と呼ばれています。

インプラント治療は、歯が抜けた部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療方法です。治療は1本の歯がなくなった場合から全部がなくなった場合まで、幅広く対応が可能です。
さらに、顎の骨とインプラントは強固に結合するので、ご自身の歯と同じようにしっかりと噛むことができます。このようなことから、インプラントは乳歯・永久歯に続く「第三の歯」と呼ばれています。

インプラントの構造

インプラントは人工の歯・アバットメント・インプラントの大きく3つの構造に分けられます。

1.人工歯(かぶせもの)

かぶせものになる部分です。患者さんの希望に合わせてセラミック・金属・ハイブリットセラミック等の材料を使用して、さまざまな人工の歯を作ることができます。

2.アバットメント

インプラントと人工歯(かぶせもの)を連結するための部分です。人工歯がインプラントに直接付く場合もあります。

3.インプラント

顎の骨に埋め込む人工歯根の部分です。材料は強度と生体親和性が高く、骨との結合がよいチタンやチタン合金が主に使用されています。

インプラントとは

他の治療法とのメリットとデメリットの比較

ブリッジ

歯の無くなった所に隣接する歯を削り、橋渡しをするように被せ物を被せて噛めるようにする治療です。

メリット

  • 3~4回の治療回数で治療できる
  • 保険が適用される(一部保険適用外あり)
  • 違和感が少ない(取り外しができない)

デメリット

  • 周囲の健康な歯を削らなければならない
  • 周囲の歯に負担をかけてしまう
  • 汚れがたまりやすい
標準料金(税込)363,000円
ジルコニアの場合

入れ歯(義歯)

歯の無くなった所に隣接する歯や、その他の歯に金具を引っ掛けて人工の歯を装着、噛めるようにする治療です。

メリット

  • 健康な歯をほとんど削ることは無い
  • 保険が適用される

デメリット

  • 違和感が大きい(慣れるのに時間がかかる)
  • 金具の掛かる歯に負担をかけてしまう
  • 汚れがたまりやすい
標準料金(税込)95,700円 ~ 209,000円

インプラント

歯の抜けた部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療方法です。

メリット

  • 他の歯を削ることが無い
  • 他の歯に負担をかけることがない
  • 違和感が少ない

デメリット

  • 保険が適用されない
  • 外科処置が伴う
標準料金(税込)450,000円
※インプラント埋入手術費用1本につき25万円、アバットメント・上部構造1歯につき20万円(セラミック)の場合

検査料他(税込)

検査料10,000円
上顎洞底拳上術100,000円
骨造成50,000円
静脈内鎮静法55,000円
※料金は税込です。症例によっては上記以外の料金が発生する場合がございます。当院ではノーベルバイオケア社のインプラントを使用しています。

当院で採用しているインプラント

日航ビル歯科室では、骨に結合するインプラントを世界で初めて製品展開した近代インプラントシステムのパイオニア、ノーベルバイオケア社の「リプレイスセレクトのインプラントシステム」を導入しております。
メリットは、義歯と異なり毎食後の取り外しの手間がなく、またブリッジのように前後の健康な歯を削る必要がありません。

「リプレイスセレクト・テーパード」は先細り形態になっているため、より理想的な位置にインプラントを埋入でき、補綴(手術後、インプラント本体の上に人工の歯を作ること)のバリエーションもそろっており、他のインプラントと比べ、より美しい仕上がりを期待することができます。

ノーベルインプラント

安全性を高める事前検査

普段行われている歯科治療であれば、「デンタルX線」と「パノラマ」の二つの検査で十分ですが、インプラント治療を行う上では十分といえません。

インプラント治療を確実にするためには、立体的に骨の状態を把握する必要があります。特に上顎の骨は構造が複雑なのでしっかりとした診断が欠かせません。そのために受けていただくレントゲン検査が歯科用CT(コンピューター活断撮影器)です。
日航ビル歯科室では、歯科用CTによる診断をおすすめしております。

小澤院長画像説明

当院の取り組み

静脈内鎮静法イメージ写真

インプラント手術時の静脈内鎮静法

インプラント治療に不安がある、手術が怖い、という方に「静脈内鎮静法」があります。これは麻酔方法のひとつで、完全に意識を失うものではなく、こちらの呼びかけには反応できる状態です。ウトウトとした状態、または眠っているうちに手術が終わります。
インプラント治療における静脈内鎮静法は健康保険適用外の全額自費治療となります。

生体情報モニターの導入

インプラント手術や、インプラント手術時の「静脈内鎮静法」を安全に行うために、生体情報モニターを使用します。血圧・心電図・脈拍・血中酸素をはじめとするオペ中の身体の情報を継続的にモニタリングすることが可能です。急な体調変化にいち早く対応できるよう備えています。

生体情報モニター

インプラント治療の流れ(2回法の場合)

インプラント治療に1回法と2回法の二つの方法があります。
この違いは歯ぐきを切開する手術を1回行うか、2回行うかという点で、アバットメントを1次手術で取り付けるものが1回法、2次手術で取り付けるものが2回法です。
インプラントを顎の骨に埋入した後、骨としっかり結合するためには一定の期間が必要になるため、人工歯を付けるまでの期間は個々の症例によって判断します。
一定期間を経た後、型を採って人工歯(かぶせもの)の作製を行います。
完成した人工歯をアバットメントにセットします。

問診
療計画を立てお口全体の問題を検査し、診断します。インプラント治療を受けたい理由や要望などをお伺いします。
検査
歯を失った原因の検査、顎の骨の状態・歯ぐきの厚みなどの状態を調べます。
場合によっては全身状態の把握のために血液検査を行うこともあります。レントゲン・CT撮影で骨量・骨質・骨形態などを精査します。最終的な治療計画・見積もりをご提示します。
患者さんにご納得いただいた上でインプラント治療に入ります。ご質問やご不安に思われることは何でもお尋ねください。
治療
インプラント手術の前に、むし歯や歯周病の治療をします。
場合によっては抜歯部分の治癒を待つために、数か月待ってからインプラント埋入手術を行います。
なかには、抜歯即日・抜歯後早期(数週間後)埋入を行うことが可能なケースもあります。
第一次手術
健康状態をお調べして手術が行えるかを確認した上で、個室の減菌された環境で行います。
歯や歯ぐき、舌の清掃・消毒をして麻酔をします。歯を失った部分にインプラントを埋め込む手術を行います。
手術時間は埋め込む本数によりますが、1本の場合で1~2時間ほどです。
インプラントが骨と馴染むまでの治療期間
手術翌日には消毒のため、約1週間後には抜糸のために来院していただきます。
術後数日間は抗生剤や炎症を抑える薬を服用していただきます。
インプラントが骨と馴染むまでの期間は、上顎の場合で3~6か月、下顎の場合は3か月程度です。
第二次手術
最終的にかぶせる人工の歯の土台となるアバットメントを装着する手術です。
局所麻酔をして歯ぐきを切り、埋め込んでいたインプラントの頭の部分を露出させます。この段階で骨としっかり結合しているかを確認します。歯ぐきから露出させたインプラントに背の高いヒーリングキャップ(アバットメント)を装着します。
かぶせる歯の作製
1週間後くらいに型を採ります。
場合によってはインプラントとの装着具合をチェックするために、確認の工程を行います。
完成後、お口の中に装着し治療終了です。
メンテナンス
お口の健康維持と長期的なインプラント使用のために、専門の歯科衛生士による衛生指導と歯科医師による1か月後・3か月後・半年後・1年後の定期検診を受けていただきます。
すべての患者さんにとって口腔ケアは大切ですが、特にインプラントでは快適に長く使い続けていただくために、定期検診と患者さんご自身による毎日のプラークコントロールが必須となります。

インプラントのよくある質問

インプラント治療は痛くないですか?

顎骨に埋め込むことを想像すると痛そうですが、実際にはそれほど痛みを感じることはありません。
骨自体はそんなに敏感な感覚はありません。顎骨は発生学的にも感染にとても強い組織なので、実は口の中に露出していてもあまり痛みません。

また、術中は麻酔をしっかり行うので痛みは感じません。
術後麻酔がきれると痛みを感じますが、それも痛み止めを処方しますので特に心配はありません。

手術時間はどのくらいですか?

本数や部位によりますが手術時間は30分~1時間程度です。
準備などがあるので医院の滞在時間は2~3時間程度になります。
処置後は普通に帰宅できます。

治療期間はどのくらいですか?

骨と埋め込んだインプラントがしっかりと馴染むまで一定期間が必要です。
上顎は骨がやわらかい性質があるので3~6か月、下顎は3か月という比較的長期間となります。
その期間は仮歯や仮の入れ歯を使用していただきます。

インプラントはどのくらい保ちますか?

現在の治療法としては一番有効で予知性(良好な予後)の高いものに位置付けられていますが、残念ながら一生保つものではありません。
お口の中の条件はとても過酷なため、天然の歯より長持ちするかというと疑問です。ただし、現在インプラントは進化し続けているので今後もっと良いデーターが出てくる可能性もあり、実際に条件が整えば一生保つという報告もあります。

インプラント治療は誰でも受けられますか?

全身状態や骨の状態によっては適用できないことがあります。
糖尿病・腎不全・肝炎・心臓病・骨粗鬆症・高血圧・妊娠中の方・ヘビースモーカーの方などはインプラント治療が制限される場合があります。
また歯を抜いた状態が長期間の方は、埋め込む土台となる骨の高さや幅がない場合があり、適用が難しくなる事もあります。

保険診療が適用にはならないのですか?

残念ながら今のところ難しいと思います。

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「歯が痛い・しみる」「血が出る」など、お口のことで気になることがあれば、
川崎日航ホテル6階の歯科医院「日航ビル歯科室」にご相談ください。
当院では患者さんのお悩みを丁寧にお聞きし、一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。