インプラント治療について
インプラント治療とは
歯が抜けた場合の治療(欠損補綴といいます)はブリッジや入れ歯(義歯)が一般的です。しかし、ブリッジや入れ歯では、歯牙欠損部周囲の歯や歯ぐき及び顎関節に対して悪影響を及ぼすことが問題とされていました。
そのような治療に対して、インプラントは「単独で植立し、咬合の回復を図る治療」になります。日本では高額医療のように考えられていますが、アメリカや韓国では欠損補綴治療の主流となっています。
こんなお悩みの方にオススメ
むし歯等、やむを得ず抜歯してしまった部位に対して
- 天然歯と同じような自然な仕上がりにしたい方
- 他の歯を駄目にしたくない方
- 噛む力が必要な方 入れ歯が合わない方
インプラント治療のメリットとデメリット
インプラント治療は失った歯を取り戻す有効な治療法です。しかしメリットだけでなく、デメリットもあります。
ブリッジ・入れ歯と比較しながらご紹介します。治療方法でお悩みの方は参考になさってください。
インプラントのメリット
- 噛む機能が天然の歯と同等に回復します
- 発音がはっきりするので会話を楽しめます
- ブリッジのように、健康な歯を削る必要がありません
- 入れ歯のような取り外しの煩わしさがありません
- 人工歯自体はむし歯になりません
- 自然で美しい口元に仕上がります
インプラントのデメリット
- 外科手術が必要になります
- インプラントを埋め込む顎の骨に、十分高さや厚み・量がないと治療が難しくなることがあります
- 骨とは強く結合しますが粘膜とはあまり強く結合しないので、天然の歯よりも感染に弱くなります
- 治療費が保険診療の適応外になります
インプラント治療を受ける際の注意事項
- 骨粗鬆症や重度の糖尿病の方(身体的リスクのある方)は、治療できない可能性があります。
- 喫煙は予後に影響を及ぼすため禁煙が推奨されています。
- 口腔内の衛生状態が悪い方や歯ぎしり・くいしばりの強い方は、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)を引き起こす可能性があり、定期的なメンテナンス、 咬合調整やナイトガード(マウスピース)の装着が必要になる場合があります。
日航ビル歯科室の
インプラント治療の特徴
01. CTデータでより正確な診断を
CTスキャンデータを使用することで、骨の硬さや量、神経の位置など、アナログでは測定できなかった詳細な情報を正確に把握できます。これにより、審美性と機能的効果を兼ね備えた理想的なインプラントの埋入位置、角度、深さを設計することができます。
02. 精密なデータから製作されたサージカルガイドを使った手術
サージカルガイドは、インプラントを埋入する位置を正確に示す道標のようなもので、手術の正確性と安全性を飛躍的に向上させます。
03. フラップレス(無切開)手術による痛み・腫れ・出血の減少
多くの場合サージカルガイドを使用し、歯ぐきに小さな穴を開けるだけのフラップレス(無切開)で、出血や腫れを最小限に抑えたインプラント手術が可能です。これにより、患者様の負担を大幅に軽減します。ただし、口腔内の状態により適応しない場合もあります。
04. 来院回数と手術時間の減少
フラップレス手術の適用により通院回数や手術時間を短縮でき、トータルの治療期間が短くなります。また、条件によってはインプラント手術当日に仮歯を装着することも可能です。
世界的実績のあるインプラントシステムを採用
インプラント治療にはいくつか種類がありますが、当院では品質・安全性の高い「DIOデジタル社製」と「ノーベルバイオケア社製」のインプラントシステムを採用しています。
インプラントメーカー「DIOインプラント」
当院では、アメリカ、ヨーロッパ、日本などの医療先進国で広く使われている「DIOインプラント」を採用しています。DIOインプラントを製造するDIOコーポレーションは、韓国KOSDAQ市場に上場している大手歯科用インプラントメーカーで、世界70カ国以上に製品とサービスを提供するデジタルブランドです。
インプラントメーカー「ノーベルバイオケア」
当院では、アメリカ、ヨーロッパ、日本などの医療先進国で広く使用されている「ノーベルバイオケア」のインプラントを採用しています。
1965年に設立されて以来、インプラント業界をリードしてきた実績があり、世界中で信頼されているメーカーのひとつです。
インプラントに必要な骨を作る「骨造成」
インプラントを安全に埋入するにはある程度の骨の高さや厚みが必要になりますが、骨量不足と診断された患者様でも、骨を増やす骨造成を行うことで安全に治療を受けることができます。
ソケットリフト
上顎の奥歯部分の骨の高さが足りない場合(骨の高さは十分ではないが、3~5mm以上あるケース)に採用されます。 上顎洞という空洞を押し上げて骨補填材を入れます。
サイナスリフト
上顎の奥歯部分の骨の高さが3~5mm以下の場合に採用される骨造成法です。
サイナスリフトにより骨を増やし、骨が安定する(人工骨が自分の骨になる)まで待ってから、インプラントを埋入する手術をあらためて行うケースが多いです。
GBR(骨誘導再生)法
GBR法は、インプラントを固定する顎の骨の高さや幅が不足している場合に行います。
骨補填材を入れてメンブレンという特殊な膜で覆い、顎の骨が再生するスペースを確保します。
インプラント治療にかかる費用
項目 | DIOインプラント | ノーベルバイオケア |
---|---|---|
検査・診断料 | 15,000円 (税込16,500円) | 15,000円 (税込16,500円) |
ガイド料金 (同一顎内2歯まで) | 20,000円 (税込22,000円)~ 1歯増えることにより+5,000円(税込5,500円) | 50,000円 (税込55,000円)~ 1歯増えることにより+5,000円(税込5,500円) |
インプラント 埋入料金(1本) | 260,000円 (税込286,000円) | 260,000円 (税込286,000円)~ |
2次手術 | なし | 100,000円 (税込110,000円) |
上部構造 (被せ物) | 140,000円 (税込154,000円) | 150,000円 (税込165,000円) |
骨造成 簡単なもの | 70,000円 (税込77,000円) | 70,000円 (税込77,000円) |
骨造成 難しいもの | 100,000円~150,000円 (税込110,000円~165,000円) | 100,000円~150,000円 (税込110,000円~165,000円) |
ソケットリフト | 60,000円 (税込66,000円) | 60,000円 (税込66,000円) |
サイナスリフト (難易度により変更あります) | 150,000円~300,000円 (税込165,000~税込330,000円) | 150,000円~300,000円 (税込165,000~税込330,000円) |
インプラント治療の副作用・リスク
出血・腫張・疼痛・青痣・神経麻痺・補綴物の脱落・破折・インプラント体の破折・咬合違和感・インプラント周囲炎 等
インプラント治療の流れ
インプラント治療に1回法と2回法の二つの方法があります。
この違いは歯ぐきを切開する手術を1回行うか、2回行うかという点で、アバットメントを1次手術で取り付けるものが1回法、2次手術で取り付けるものが2回法です。
インプラントを顎の骨に埋入した後、骨としっかり結合するためには一定の期間が必要になるため、人工歯を付けるまでの期間は個々の症例によって判断します。
一定期間を経た後、型を採って人工歯(上部構造)の作製を行います。 完成した人工歯をアバットメントにセットします。
- 問診
- 治療計画を立てお口全体の問題を検査し、診断します。
インプラント治療を受けたい理由や要望などをお伺いします。
- 検査
- 歯を失った原因の検査、顎の骨の状態・歯ぐきの厚みなどの状態を調べます。
場合によっては全身状態の把握のために血液検査内科に紹介することもあります。レントゲン・CT・顎骨の模型で骨量・骨質・骨形態などを精査します。最終的な治療計画・見積もりをご提示します。
患者様にご納得いただいた上でインプラント治療に入ります。ご質問やご不安に思われることは何でもお尋ねください。サージカルガイドが必要な患者様は、インプラント治療をお受けになることを決めていただきましたらサージカルガイドを発注いたします。
- インプラント前処置
- インプラント手術の前に、むし歯や歯周病の治療をします。
抜歯をした場所にインプラントを埋入する場合は、抜歯窩の治癒を待つために、数か月待ってからインプラント埋入手術を行いますが、抜歯即日・抜歯後早期(数週間後)埋入を行うことが可能なケースもあります。
- 1次手術(インプラント埋入手術)
- 健康状態をお調べして手術が行えるかを確認した上で、個室の減菌された環境で行います。
歯や歯ぐき、舌の清掃・消毒をして麻酔をします。歯を失った部分にインプラントを埋め込む手術を行います。
手術時間は埋め込む本数によりますが、1本の場合で1時間ほどです。
- インプラントが骨と馴染むまでの治療期間
- 手術翌日には消毒のため、約1週間後には抜糸のために来院していただきます。
術後数日間は抗生剤や炎症を抑える薬を服用していただきます。
インプラントが骨と馴染むまでの期間は、上顎の場合で3~6か月、下顎の場合は3か月程度です。
- 2次手術(フラップレスの手術の場合は必要ありません)
- 最終的に被せる人工の歯の土台となるアバットメントを装着する手術です。
局所麻酔をして歯ぐきを切り、埋め込んでいたインプラントの頭の部分を露出させます。この段階で骨としっかり結合しているかを確認します。歯ぐきから露出させたインプラントに背の高いヒーリングキャップ(アバットメント)を装着します。
- 人工歯の製作・装着
- インプラント手術後、上顎の場合で3~6か月、下顎の場合は3か月を目処に人工歯を装着いたします。
2次手術からは、約1週間後に人工歯装着のための型を採ります。
場合によってはインプラントの咬合状態をチェックするために、仮歯を装着して咬合関係を確認することもあります。
- メンテナンス
- お口の健康維持と長期的なインプラント使用のために、専門の歯科衛生士による衛生指導と歯科医師による1か月後・3か月後・半年後・1年後の定期検診を受けていただきます。
すべての患者様にとって口腔ケアは大切ですが、特にインプラントでは快適に長く使い続けていただくために、定期検診と患者様ご自身による毎日のプラークコントロールが必須となります。
インプラントのよくある質問
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インプラント治療は痛くないですか?
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顎骨に埋め込むことを想像すると痛そうですが、実際にはそれほど痛みを感じることはありません。
骨自体はそんなに敏感な感覚はありません。顎骨は発生学的にも感染にとても強い組織なので、実はお口の中に露出していてもあまり痛みません。また、術中は麻酔をしっかり行うので痛みは感じません。
術後麻酔がきれると痛みを感じますが、それも痛み止めを処方しますので特に心配はありません。
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手術時間はどのくらいですか?
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本数や部位によりますが手術時間は30分~1時間程度です。
準備などがあるので医院の滞在時間は2~3時間程度になります。
処置後は普通に帰宅できます。
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治療期間はどのくらいですか?
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骨と埋め込んだインプラントがしっかりと馴染むまで一定期間が必要です。
上顎は骨がやわらかい性質があるので3~6か月、下顎は3か月という比較的長期間となります。
その期間は仮歯や仮の入れ歯を使用していただきます。
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インプラントはどのくらい保ちますか?
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現在の治療法としては一番有効で予知性(良好な予後)の高いものに位置付けられていますが、残念ながら一生保つものではありません。
お口の中の条件はとても過酷なため、天然の歯より長持ちするかというと疑問です。ただし、現在インプラントは進化し続けているので今後もっと良いデーターが出てくる可能性もあり、実際に条件が整えば一生保つという報告もあります。
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インプラント治療は誰でも受けられますか?
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全身状態や骨の状態によっては適用できないことがあります。
糖尿病・腎不全・肝炎・心臓病・骨粗鬆症・高血圧・妊娠中の方・ヘビースモーカーの方などはインプラント治療が制限される場合があります。
また歯を抜いた状態が長期間の方は、埋め込む土台となる骨の高さや幅がない場合があり、適用が難しくなることもあります。
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保険診療が適用にはならないのですか?
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残念ながら今のところ難しいと思います。
診療のご予約はこちら
「歯が痛い・しみる」「血が出る」など、お口のことで気になることがあれば、
川崎日航ホテル6階の歯科医院「日航ビル歯科室」にご相談ください。
当院では患者様のお悩みを丁寧にお聞きし、一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。