細胞診検査のご紹介 「もしかして悪いものかも?」

細胞診検査は組織から剥離した細胞や擦過または穿刺吸引等で採取した細胞に腫瘍性病変を疑う所見があるかどうかを調べます。 時に微生物による感染症や炎症性病変、あるいはホルモン状態を判定することもあります。 現在では子宮がん検診をはじめ、喀痰や尿、体腔液中の腫瘍細胞の有無、乳腺や甲状腺等の幅広い材料に対しても行われている検査です。口腔内では口腔がんのスクリーニング検査やカンジダ感染等の発見に有効です。

当院では千葉病理診断クリニックと連携して細胞診断を実施しています。少し治癒の遅い口内炎でお悩みの患者様が来院されましたので細胞診検査を実施いたしましたのでご紹介いたします。

患者様は40代の女性の方で、治癒の遅い口内炎のご相談で来院されました。

 

口内炎周囲からやや強い赤みをおびた線条変化がありました。赤みを帯びた周囲は粗造で硬結を触知しました。この場合組織を切除して生検は最初に実施するべきではないと考えます。またレーザー治療を場当たり的に実施したり、漫然と口内炎治療薬を塗布しつづける事もリスクがあります。そこでまづ細胞診検査をして細胞の異型状態を確認させて頂くことにしました。

 

 

細胞診検査は歯間ブラシを患部にあてて擦過します。病態は易出血性でした。

検体は千葉病理診断クリニックにて検査して頂きます。患者様には口内炎の薬をお渡しして次回まで患部に薬を塗布して頂き、病態が治癒していくか確認することをお伝えします。

2週間後細胞診検査は幸いにもクラスⅡ(陰性)で悪性変化は否定されました。患者様にもひとまづご安心頂くことの一助にも繋がります。

2週間後細胞診断の結果を説明します。病態は一部紅斑が残っていますが改善傾向です。

4週間後には病態はほぼ消失しています。

細胞診断検査は臨床診断から腫瘍性変化を考えた場合に保険適応されます。患者様ご自身が粘膜不調を感じてご相談頂き検査を希望される場合は保険適応外になります。実費ご負担頂けましたら検査対応は可能です。