歯科治療で用いる骨再生補填材の紹介 1
今回は臨床に関連する院長ブログを投稿いたします。
最近では、骨再生補填材(骨再生材料)を使用することで、失われた骨の再生を促す治療が可能になってきています。
当院では、他院で抜歯と診断された歯に対しても、口腔外科手術と最新の再生材料を組み合わせることで、できる限り歯を残す治療に努めております。
歯周病の外科手術や、歯の根の先にできた病気(嚢胞)を取り除いた後など、骨が不足してしまった部分に対して骨再生補填材を使用しています。当院で使用する材料は、「リグロス」「バイオス」「ボナーク」「サイトランス」などがあり、症例に応じて使い分けています。
今回は、治りにくい歯根の先端の病気(根尖病巣)が原因で上顎洞炎を併発してしまった患者様に対し、歯根端切除術という治療を行い、骨再生補填材を併用したところ良好な結果が得られましたので、ご紹介いたします。
※歯根嚢胞(しこんのうほう)とは:虫歯や外傷で歯の神経が感染・壊死し、根の先端(根尖)に膿が溜まった袋状の病変のこと
根管治療の再治療になりますが、歯根が弯曲・閉塞しているため根管治療で病巣が治癒せず、上顎洞粘膜の肥厚も残っております。
※肥厚(ひこう)とは:皮膚、組織、器官などが、腫れたり、細胞が増殖したりして、正常な状態よりも厚く、分厚くなること

切開後、歯肉粘膜骨膜弁を剥離し、翻転します。頬側の皮質骨の吸収は認めません。
※翻転(ほんてん)とは:組織を切開して裏返すこと

頬側皮質骨の前壁を除去し、骨内の嚢胞を摘出し、歯根端切除術を行います。
嚢胞腔内を掻把し、洗浄後に補填材を入れます。
※掻爬(そうは)とは:医療現場でキュレットと呼ばれるスプーン状の器具や鉗子を用いて、子宮内膜や胎盤、残存組織を掻き出す(除去する)手術方法のこと

ゲル状の骨再生補填材を充填します。

タブレット状でやや硬めの骨再生補填材を、ゲル状の補填材の上に蓋をするように充填します。

術後3か月のCT経過写真です。まだ上顎洞炎は残っています。

術後1年半の確認CTです。上顎洞粘膜の肥厚は消失。嚢胞摘出腔に骨が再生してきていることがわかります。再生がなかなか難しいと言われている皮質骨も再生してきております。





上記で紹介した薬剤は一部を除き保険適用が認められておりません。そのため手術料金と薬剤料金を含めて自費になってしまいますが、骨の再生材料を使用した場合と使用しなかった場合の骨の回復具合に著しい差がありますのでご紹介いたしました。ご興味がある方は当院までご連絡ください。医療関係者も大歓迎です。
今後も、患者様にとってより良い治療をご提供できるよう努めてまいります。

