唾石疑いにてCT検査しました
唾石ってご存知ですか?唾石は唾液腺及び唾液腺管に蓄積したリン酸カルシウムの結晶です。
顎下腺管内の唾石が大きくなってきますと歯科のパノラマエックス線で発見されることもあります。患者様は長年歯周病のメンテナンスで当院に通院されていました。今回メンテンナンスの際にパノラマエックス線を撮影しますと左側顎下部に母指頭大の不透過像を認めました。
口腔内を精査いたしますと、左側顎下腺管開口部から唾液の流出はありませんでした。患者様に状況をご説明させて頂き顎下腺唾石を疑いCTを撮影を実施いたしました。
CTを撮影しますと、顎下腺管に大きな唾石と考えられる不透過像が認められました。臨床所見と照らし合わせても唾石症として診断できました。
唾液の流出が停滞しているため、顎下腺の萎縮も考えられます。そのため治療方法として唾石を含んだ顎下腺摘出術が考えらます。しかし最近では内視鏡の進歩により外科的な侵襲を回避するために、内視鏡を用いた唾石の破砕術を実施する大学病院もあります。
現在は疼痛等自覚症状がありませんので、今後につきましては患者様の生活状況に配慮しながら治療方針を決定させて頂くことになりました。